ちょうど良い場所を見つけたので続けさせていただきます。厳密には欲しいというよりも、あったらいいなと思うもの。それは、伝統的な意匠である三猿（見ざる、言わざる、聞かざる）のアンチとしての三鯛（見たい、言いたい、聞きたい）。

鯛の伝統的な意匠といえば、なんといっても西宮神社の「えべっさん」。構想としては、えびす神の釣り糸の先に３匹の鯛がかかっている。１匹目は口を大きく開けて針に引っかかっている。２匹目は１匹目のしっぽに食らいつき、３匹目は２匹目のしっぽに食らいつく。こうすれば、一応、理屈は通るでしょ。１匹目は「言いたい」にして、残りを「見たい」と「聞きたい」にするわけですが、すぐに気づかれるように、「聞きたい」をどうするか。ここは居直って、大きな人間の耳をくっつけちゃいましょうかね。シャレですから。えびす神の表情はあくまでもえびす顔で。片足を上げて小躍りしているようなのが陽気でいいですねえ。

二次元の図案だけでなく三次元のフィギュアも作れます。フィギュアとなれば、展示場所はもちろん「国立メディア芸術総合センター」（仮称）。１匹目の「言いたい」にはスピーカを、残りの「見たい」には監視カメラを、「聞きたい」にはマイクを配します。来館者は、「聞きたい」に向かって規定時間内に言いたいことを言います。これを録音しておき、「言いたい」から放送する。こういう仕組みは、地方のこども科学館のようなところにもあるので目新しいものではないかもしれませんけど。プライバシーの保護を考慮して、「見たい」は、「聞きたい」に向かって録音している人は写さないようにするといいでしょう。その代わり、「目玉の親父」のようなカメラを館内至る所に取り付けます。職員室やトイレの出入り口も例外ではありません。撮影した映像は、えびす神の足下に複数の小型モニタを配し、ここに映し出すようにします。セキュリティの面からも一石二鳥です。

伝統文化の継承という点からも関係各位にはぜひとも一考いただきたいと夢想するのですが…